
結論:教育費は「使う時期」で口座と手段を分ける
教育費の貯め方に正解は一つ。
「いつ使うか」で現金かNISAかを決める、それだけです。
「とりあえずNISAに入れておけばいい」は、タイミングを誤ると相場下落のタイミングで崩す羽目になります。

教育費はいくら必要?まず「ゴール」を確認する
国公立か私立かで総額が大きく変わる。最低限の目安として押さえておきましょう。
| 進路 | 入学〜卒業の総費用(概算) |
|---|---|
| 幼稚園〜高校(全て公立) | 約540万円 |
| 幼稚園〜高校(全て私立) | 約1,830万円 |
| 国公立大学4年(下宿) | 約470万円 |
| 私立大学文系4年(下宿) | 約620万円 |
※文部科学省「子供の学習費調査」・日本政策金融公庫「教育費負担の実態調査」をもとに概算。
大学入学前後に100〜200万円のまとまった現金が必要になる家庭が多いです。

口座の分け方:3つの「バケツ」で管理する
現金・短期NISA・長期NISAの3バケツに分けると、迷わず運用できます。
バケツ①:現金口座(3〜5年以内に使う分)
- 目安:総貯蓄の40〜50%
- 高校入学・受験・大学入学費用など「期日が読める支出」はここに積む。
- 普通預金ではなく高金利の定期預金や個人向け国債に寝かせるのが無難。
バケツ②:NISA(つみたて投資枠・6〜10年以上使わない分)
- 目安:総貯蓄の40〜50%
- 大学入学まで10年以上ある未就学児の親御さんは、ここを積極的に活用できます。
- NISA(少額投資非課税制度)=運用益が非課税になる国の制度。
- 子どもが中学生になったら一部を現金口座へ移す計画を立てておく。
バケツ③:生活防衛資金(教育費とは別口座)
- 目安:生活費の6ヶ月分
- これが確保できていない状態でNISAを増やすのは本末転倒。必ず最初に確保する。
実際の相談から:比率を間違えると起きること
先日、お子さんが2人いる30代共働きのご夫婦からご相談をいただきました。
毎月の積立をほぼ全額NISAに向けていたのですが、上のお子さんの高校入学が3年後に迫った時点で、「現金が全然ない」と気づいたケースです。
NISAを崩すタイミングが相場の下落期と重なれば、損失が確定しかねません。
現金比率を上げ、NISAは下の子の大学費用に照準を絞る形に組み直しました。
「全部NISA」は危険。使う時期から逆算した現金比率が鍵です。
子どもの年齢別・推奨比率の目安
| 子どもの年齢 | 現金比率 | NISA比率 |
|---|---|---|
| 0〜3歳 | 20〜30% | 70〜80% |
| 4〜6歳(未就学) | 30〜40% | 60〜70% |
| 小学生 | 40〜50% | 50〜60% |
| 中学生以降 | 60〜70% | 30〜40% |
※あくまで目安。収入・貯蓄残高・進路想定によって変わります。
まとめ
教育費の貯め方は「口座を分けること」から始まります。
- 3〜5年以内に使う分は現金で確保
- 10年先の大学費用はNISAで育てる
- 生活防衛資金は別口座で先に確保
この3バケツを設計してから、毎月の積立比率を決めるのが正しい順番です。
よくある質問
Q. 学資保険とNISA、どちらで貯めるべきですか?
A. 現在の返戻率水準では、多くの学資保険よりNISAの長期積立のほうが有利になりやすいです。ただし「強制的に積み立てる仕組み」として学資保険を評価する場合は一概に否定できません。
Q. 児童手当はそのまま貯めればいいですか?
A. 児童手当は使わずに専用口座へ全額貯めるのが基本方針として有効です。0歳から中学卒業までの総額は最大で約200万円(2024年度以降の拡充後)になります。
Q. NISAの教育費を崩すタイミングはいつが正解ですか?
A. 大学入学の2〜3年前から少しずつ現金へ移すのが無難です。相場環境に関わらず、期日が近づいたら段階的に利確する計画を立てておきましょう。
Q. 教育費と老後資金、どちらを優先すべきですか?
A. 原則として老後資金(iDeCo・NISA)を止めてまで教育費を積む必要はありません。教育費は奨学金・教育ローンで補完できますが、老後資金は借りられません。両立できる積立額に設計し直すことが先決です。



