
「入学してから考えれば間に合う」——それ、完全に逆です
教育費の相談で一番多い後悔は「もっと早く始めればよかった」です。 小学校入学後は学童・習い事・給食費が重なり、中学から塾代が一気に乗ってくる。 入学前こそが、人生で最も「静かに貯められる時期」なのに、 ほとんどの親がそこに気づかず通り過ぎてしまいます。
結論から言います。小学校入学前に最低100万円、できれば150万円を貯めてください。 この差が、10年後の家計の「余裕」か「詰まり」を決めます。

教育費の総額を知らずに貯めるのは、ゴールなきマラソン
文部科学省の令和3年度調査をもとにした概算です。
| 進路パターン | 幼〜高の合計 | 大学4年(国立) | 大学4年(私立文系) |
|---|---|---|---|
| 全て公立 | 約574万円 | 約243万円 | 約396万円 |
| 全て私立 | 約1,838万円 | 約243万円 | 約396万円 |
※入学金・授業料の合計概算。生活費・仕送りは含まず。
公立ルートでも大学まで含めると800万円以上かかります。 「全額を貯金で賄う」は非現実的。「貯蓄+運用+奨学金」の組み合わせが前提です。 まずこの総額を知ることで、入学前の150万円という数字に意味が生まれます。

入学前に150万円を作る、3つの手順
① 児童手当は「見なかったこと」にして専用口座へ
児童手当(月1〜1.5万円)を生活費口座に混ぜた瞬間、蒸発します。 0歳から6歳まで手をつけずに貯めれば、それだけで約100万円です。 専用口座を作り、振込先を最初から分けてしまうのが唯一の正解。 意思の力に頼らず、「仕組み」で守ってください。
② 学資保険より新NISAのつみたて投資枠を選ぶ
現在の学資保険の返戻率は100〜105%前後。 インフレを加味すると「元本をわずかに守る」程度の役割しか果たしません。 新NISAのつみたて投資枠で月1〜2万円を積み立てる方が、長期では有利になりやすい。 ただし大学入学の2〜3年前から現金・定期預金へ移す計画を最初に組み込んでおくことが条件です。
③ 「今の積立で足りるか」を一度だけ数字で確認する
先日、30代のご夫婦からこんな相談がありました。 「学資保険に入っているけど、本当に足りるか自信がない」——まさに多くの家庭のリアルです。 試算すると大学入学時に250万円の不足が見込まれ、新NISAへの切り替えで不足をほぼ解消できる見通しになりました。 保険証券を引き出して、一度だけ試算してみてください。それだけで方向が変わります。
貯める優先順位はこの順番で動かさない
- 児童手当は専用口座へ(最優先・絶対に崩さない)
- 新NISAで月1〜2万円のつみたてを自動化
- ボーナスの一部を教育費口座へ定期移動
- 住宅ローン返済・老後資産と並走させるバランス設計
ひとつ言い切ります。老後資産は教育費より優先度が高いです。 教育費は奨学金・給付金で補う手段がある。老後の生活費を補う制度は限られています。 「子どものため」と教育費に全振りした親が、20年後に子どもに頼る構図は避けてください。
まとめ:入学前が「最後の静かな貯め時」
児童手当を守り、新NISAで積み立てを始める。たったこれだけで土台は作れます。 大切なのは「なんとなく貯めている」から「いつ・いくら必要か逆算して動いている」へ切り替えること。 その一歩を、入学前に踏み出せるかどうかが全てです。
よくある質問
Q. 学資保険とNISA、教育費にはどちらが向いていますか?
A. 現在の低金利環境では、返戻率100〜105%前後の学資保険より新NISAのつみたて投資が長期では有利になりやすいです。ただし価格変動リスクがあるため、大学入学2〜3年前から現金化する計画を最初に組んでおくことが前提です。
Q. 児童手当だけで教育費は賄えますか?
A. 賄えません。0〜15歳の児童手当総額は約200万円ですが、大学まで含めると800万円以上かかるケースが多数です。児童手当は「貯める土台」として全額確保し、NISAや積立で上乗せする設計が必要です。
Q. 住宅ローンと教育費が重なって苦しい場合は?
A. 家計のキャッシュフローを10〜15年単位で可視化することが先決です。住宅ローン控除の還付金を教育費口座へ自動移動するなど、「意思に頼らず仕組みで貯める」設計が有効です。
Q. 大学費用はいつから本格的に備えればいいですか?
A. 遅くとも子どもが小学校低学年のうちに積立を開始してください。大学入学まで10年以上あれば、月1〜2万円の積立でも複利効果が期待できます。


