
結論:フリーランスでも審査は通る。ただし「所得の見え方」で結果が変わる
審査に通るか否かは、収入の高さより確定申告書の読まれ方で決まりやすいです。
銀行が見るのは「事業収入(売上)」ではなく「所得(売上-経費)」。 節税で経費を積みすぎると、審査上の年収が激減します。

フリーランスの住宅ローン審査、銀行は何を見ている?
審査基準は「直近3期分の所得の平均または最低値」が軸になる。
銀行によって計算方法が異なりますが、代表的なパターンは下記のとおりです。
| 金融機関の種類 | 収入の見方 | フリーランスへの傾向 |
|---|---|---|
| 都市銀行・地方銀行 | 直近2〜3期の所得平均 | 厳しめ。安定性を重視 |
| フラット35(住宅金融支援機構) | 直近1〜2期の所得 | 比較的柔軟。要件が明確 |
| ネット銀行 | 直近2〜3期の所得 | 銀行により差が大きい |
| 信用金庫・地域密着系 | 事業の実態も加味 | 担当者裁量が効く場合あり |

フリーランスが審査で詰まる3つの落とし穴
①節税しすぎて「所得ゼロ」に見える問題
経費計上で課税所得を圧縮するのは合法的な節税ですが、 銀行の審査では「所得が低い=返済能力が低い」と判断されます。
住宅購入を3〜5年先に検討している段階から、 「節税か、借入能力か」のバランスを意識することが重要です。
②収入の波が大きく「安定性なし」と判断される
前年比でプラス40%・マイナス30%のような増減は、 銀行にとって「読めないリスク」です。 売上先の分散や複数年の安定を証明できると有利になりやすいです。
③書類の不備・未申告の期がある
確定申告書(第一表・第二表)、青色申告決算書の3期分が揃っていないと、 審査の入口で止まります。白色申告より青色申告の方が信頼性が高いと判断されやすいです。
審査を通すための具体的な5つのアクション
先日ご相談に来られた30代のフリーランスWebエンジニアの方は、 売上1,000万円超でも所得が200万円台に見えており、2行続けて否決されていました。 申告書を一緒に確認すると、家賃・通信費・交際費を全額経費計上していました。 3期目の申告前に経費を整理し直し、フラット35で通過しています。
1. 購入の2〜3年前から「見せる所得」を意識して申告する 生活費と事業費を分離し、個人的な経費は除外する。
2. フラット35を第一候補にする 住宅金融支援機構の審査基準は比較的明確で、フリーランス実績が1〜2年でも申請できる場合があります。
3. 自己資金を厚くする(頭金20%以上が目安) LTV(借入額÷物件価格)が低いほど審査は通りやすいです。 頭金を増やすことは「返済能力の代替証明」になります。
4. 青色申告に切り替え、3期継続させる 65万円の青色申告特別控除が使え、申告書の信頼度も上がります。
5. 複数行に同時に申し込まない(否決歴が残る) CIC・JICCなどの信用情報機関に照会記録が残るため、立て続けに申し込むと審査に悪影響が出ます。
よくある質問
Q. フリーランス歴1年でも住宅ローンは組めますか?
A. 銀行の多くは2〜3年の確定申告を求めますが、フラット35は1年分の所得証明で申請できるケースもあります。ただし金利・審査条件は異なるため、複数の選択肢を比較することが重要です。
Q. 確定申告書の「所得」と「収入」の違いは?
A. 収入は売上全体、所得は売上から経費を引いた金額です。銀行が返済能力の計算に使うのは「所得」の方です。
Q. 配偶者(会社員)との収入合算はできますか?
A. できます。会社員側の安定収入を主債務者にし、フリーランス側を連帯保証人にする形が審査通過率を高めやすいです。ペアローンより収入合算の方がシンプルで審査リスクが低い場合があります。
Q. 節税と借入能力はどうバランスを取ればいい?
A. 住宅購入の3年前を目安に、FPまたは税理士と「どこまで経費を落とすか」を試算するのが現実的です。1期分の節税効果より、借入可能額が数百万円変わる方がトータルの家計インパクトは大きくなりやすいです。



